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ホンダGX200エンジン 不調です

プラウテクニカルサポート部小関です

 

特約店さんからエンジン始動不能案件でホンダGX200エンジンを送って頂きました

症状は始動不能との事でしたがオイルアラートシステム作動による点火カットが原因でした

始動後にエンジンにパンチが無い事に気づきました

スロットルをMAXにしても回転数は規定回転数の3600rpmまで上昇しますが

スロットルが開いていない様なフィーリング

でもキャブレターのスロットルは全開まで開きます

メカノイズも少し大きい音がします

入庫前に先方のメカさんからタペットカバー内のプレートがおかしいと言われていました

その部分を観察すると

なんとプレートが千切れています

詳細に観察する為にロッカーアームを撤去する事にしましたが

バルブクリアランスが超過大でロッカーアームがバルブステムエンドから外れます

千切れたプッシュロッドガイドプレート

プレートの位置は正常なのでこうなるにはプッシュロッドが横方向へズレるしか考えられません

バルブクリアランスが過大になってロッカーアームが傾いた結果でしょう

ステムエンドのカドも削れています

右側のバルブです

こんな感じに削れています

GX200エンジンでも仕様によってはこの部分にバルブローテータ―が装着されている場合もありますが

この仕様はローテータ―を使っていないタイプ

これほど摩耗するのはオイル管理が悪すぎたからです

入っていたオイルは真っ黒でドロドロでした

バルブを取外しバルブガイドとのクリアランスをチェック

ガイドは大丈夫ですがエキゾーストバルブのステムが痩せています

今回はガイドの打ち替えとバブルシート研磨は必用ないと判断

バルブ交換後にラッピングのみ行います

燃焼室の状態はこんな感じ

ポートのカーボン堆積も問題無いですね

ピストンヘッドは少しオイリー

これはエキゾーストバルブとガイドのクリアランスが広がり

オイル下がりが起きているからです

このエンジンのエキゾーストバルブにはステムシールが装着されていません

インテークには付いてますが

運転中はエキゾーストマニホールド内は正圧な事と

構造上ヘッドが傾斜しているので停止後にバルブステム周りにオイルが溜まらない造り

なのでオイル下がりがあっても僅かな事が理由でしょう

心配したシリンダー壁は無事です

クロスハッチも十分残っているのでホーニング作業は不要

ピストンリングセットはとても安価なのでせっかくなので交換しておきます

このエンジンのリングは全部セットで¥2000程

ピストンリングメーカーは超有名な会社製ですがこの金額

ポルシェやDUCATIの部品を買ってる事が馬鹿らしくなります

ホンダの部品価格は神です

って愚痴っても仕方な無いので鈴鹿に部品発注を入れて入荷を待ちます

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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