REPAIRBLOG修理ブログ

プラウテクニカルサポート部小関です

ハスクバーナ254の整備見積依頼品が到着しました

早速チェックしていきますがいきなりエンジンを始動するとトラブルの元

基本点検を行います

254の主要部品はすでに供給終了なので重要部品に問題があると厄介です

外観チェックでは大きな問題はありません

早速シリンダーを確認します

 

ん～、オレンジフィルターですね

ハスクのエアフィルターはケーシングの色で濾過性能が分かります

この年式だと本来はNWタイプなんですが

エンジンとキャブレターを隔離するシーリングもなぜか溝に入っていません

シリンダーの熱を奪い高温になった冷却風がキャブレターハウジングに流入してしまいます

プラグを外しシリンダー壁を観察するとやはり焼付きています

リコイルを引いた時の感触と音でわかるのですが

このシリンダーはすでに供給終了品なので一呼吸してさらに

ピストンに水平方向の傷が幾重にも刻まれています

これは人為的につけられた傷

ポートのカーボンを除去しようとして引っ搔いてしまったんでしょう

ピストン溝とリングはスティックしています

シリンダーピストンKITの交換が必須です

吸気側もガリガリ

異物もかなり吸い込んでいるようです

こういう場合はクランクベアリングの交換が必用

ハスク純正のベアリングは規格上C3なんですが

国産ベアリング程の精度は期待できません

打ち替え時は非純正ベアリングを使います

クランクシールも最近の機種の様なタイプではないので

劣化によりまるでプラスチックの様に硬化します

2シリーズは腰下のメンテナンスは必須です

部品の積算と海外ディーラーの部品ストックをチェックして

この子の未来を検討します