REPAIRBLOG修理ブログ

PLOWカスタマーサポート小関です

埼玉県からHRX537の整備依頼品が到着しました

地元修理店では対応できなかったとの事

ワイヤー調整だけは実施したそうですが

大事なところを点検していないんです

HRX537のカッターデッキ内部です

この機種はエンジンクランク軸にカッターは直結していません

間にクラッチがありそこで動力伝達をしています

カッターを取外した後に

クラッチ固定ボルトを抜くと取り外せますｓ

テーパータイプの摩擦クラッチを装備しています

 

このタイプの利点はエンジン始動中にカッターのON・OFFを選択できる事

普通の芝刈機はカッターがエンジンに直結なので

始動後は常にカッターが回転しています

クラッチを装備しているとカッターだけ停止できます

エンジン走行で移動する場合にカッターを停めたいんですが

直結式ではそれが出来ません

移動中にカッターの回転で色々飛散させてしまうリスクを防げます

点検整備も同時受注の為ベルトを交換します

ベルト交換にはロートストップ機構やマルチングのシャッターも

取り外す必要があります

この辺が面倒でギブアップするユーザーや修理店もいます

ロートストップ機構が外れました

でもこれではベルト交換は出来ません

シャッター軸がベルト間を貫通しているので

物理的に外す事が出来ません

これでベルトが外れました

磨耗して幅が減少しているほか

内部補強が劣化し輪ゴムのような感触です

これがクラッチシュー

下が新品

古いシューは摩耗し内径が大きくなり

溝もかなり浅くなっています

クラッチスプリングも潰れているので交換します

この後シャーシやミッションのメンテナンスを行い無事完了

カッターの回転もすべる事なく絶好調になりました