REPAIRBLOG修理ブログ

NEW STORE

毎月1日はプラウの日。お買い物でポイント5倍が貯まります。さらにLINE連携で3%OFFが実現!プラウ会員登録の詳しいご案内プラウ会員登録ページPLOW MEMBERS登録はこちらから

月別アーカイブ

カテゴリー

ブログ内検索

STIHL MS201CM エンジン不調 セカンドオピニオン

PLOWカスタマーサポート小関です

群馬県太田市よりSTIHL MS201CMの整備依頼品が到着

地元のショップで整備したが不調が解消しないとの事でPLOWで診断する事になりました

いつものセカンドオピニオンです

サークルチェックとシリンダー壁傷を確認しましたが特に気になる所は無し

スパークプラグの焼け色が少し濃いめなくらいです

実際に玉木をカットし調子を確認

結果インプレッション

・始動性は問題無しだがファストアイドルが高い

・カット直後のアイドル回転低下が遅れ気味

・バーを走るチェーンのフリクションに違和感がある(重い)

・アイドル中の安定感が少し不安定で時々軽く回転上昇が起きる

・クラッチドラムのニードルゲージからキーキーと異音発生(グリス切れ)

・フルスロットルでの力感がまずまず

15分程度のテストでも色々気になる所がありますね

M-Tronic診断機でECUのデータを確認します

稼働時間は40時間13分47秒

始動回数は349回

空燃比補正データを見るとアイドリング回転数設定が正常値から外れています

フルスロットル設定は問題ない値に入っています

試運転で感じたアイドル域の嫌な感じがデータにも出ています

ECUを初期化し補正データを工場出荷状態にもどして

再度玉木をカット後のデータです

やはり初期化でニュートラルに戻った補正値が同じように異常値に振れました

この機体には何か問題が隠れているようです

まずは気になったソーチェーンのフリクション異常の確認

ガイドバー溝とソーチェーンに問題はありませんが

バーが曲がっています

嫌なフリクションはコレですね、バーは要交換です

ガイドバーをPLOWカスタマーの診断用バーに付け替え

再度データ取りを行いましたが変化無し

燃料系に問題があるのでキャブの診断を行いますが

試運転時に回転低下不良があったのでスロットルストップスクリューも要調整

取り外したキャブレター

スロットルストップスクリュー調整にはトリガーユニットが邪魔

これで調整ができます

1/4回転ほど調整を実施

この状態で再度機体にキャブレターを装着したところ

アイドル回転域の落ち着きがでました

データを確認しますがアイドル回転設定は変化無し

ECUが空燃比を大きく補正するであろう部分を点検します

実はこのキャブ、地元ショップでダイヤフラムをかまっているそうです

誰かが開けたキャブはすでにジャンクパーツと思わないとダメです

スキルが無い人が開けると正常なキャブもダメになります

で、ココ

メタリング室

重要なメタリングレバー高さを測定するとNGです

メタリングレバー高さはフロート式キャブの油面高さに相当する部分

ココの調整がエンジンフィールにとても影響を与えます

正しい値にセットしました

ECU初期化後10分程玉木を切り刻んだ後の測定値です

正常値範囲に入りました

メタリングレバー高さが犯人だった様です

試しにこの後ソレノイドを診断用パーツに交換して

再測定しましたが補正値に目立った変化は起きません

ソレノイドの詰まりは無いと判断できます

ソレノイドを取り外した所

黒いのが元からついてたパーツで緑がテストに使ったもの

アイドルスピードは3000rpm近辺で安定します

この後冷機と暖機を3サイクル繰り返して

データが安定する事を確認するテストを行いますが

今日は時間切れ

明日以降実施します

 

この機種MS201で時々耳にする不調についてチョッと書きます

作業中アイドリング時にエンストすると時々ユーザーから問い合わせがあります

ん~、年に4、5人くらいかな?

エンスト後プライミングポンプを揉まないとかからないとか

リコイルを多めに引くとかかるとか・・・

ヒアリングすると皆さん燃料が少ない状況で起きています

タンク内には約1/4くらい燃料が入っていますが状況によりエンストする様です

診断の結果ベントバルブも正常に動作しています

で、タンク内をまじまじ見ると

ピックアップボディー(燃料ストレーナ)が露出しています

MS201のピックアップボディーは樹脂製で重りがありません

とても軽いんです

そして燃料ホースが成形品でS字状にカーブしてます

なので状況によりタンク内でピックアップボディーが燃料油面から顔を出す事があります

結果エアーを吸い込みガス欠と同様の状況が発生します

ピックアップボディーを何度沈めてもこの状況が起きるんで困ります

こんな時はタンクとホース挿入部の位相をずらすと改善する事もありますが

根本的な解決にはならないかもしれません

ハスクの様にストレート形状のホースではあまり起きないんですが

給油時にはピックアップボディーの位置に注意したいですね

MS201では給油をこまめに行うのが良いと思います

 

 

 

 

 

修理動画のご案内

「修理ブログ」を発展させた、高度な「修理動画」を”Youtube プラウチャンネル”で展開中です。ご自身で修理を行いたい、機械の内部構造を知りたいなど、多くのご要望に対し「修理動画」と言う形でお応えしたいと思います。
「修理動画」一覧ページはこちらから。