REPAIRBLOG修理ブログ

プラウカスタマーサポート小関です

ハスクバーナ254XP整備でお預かりした2台ですが

１台はトラブル復旧費用が高額になるため

状態の良い機体へ部品を移植整備する事になりました

クラッチスプリング破損でロック状態の為

部品を移植します

リング状のコイル状スプいリングが折損し飛び出ています

それがシューを圧迫しクラッチが常に接続した状態です

飛び出たスプリング先端がクラッチカバー内面に干渉していました

清掃の結果このカバーは正常動作するので継続使用します

クラッチを取り外す為ピストンをロックします

ロックツールは色々ありますがリコイルロープが一番使いやすく

シリンダーへの攻撃性がないので安心ですね

ピストンをロックしたらクラッチユニットを緩め外します

ここは逆ネジで工具は15ｍｍサイズが合います

クラッチドラムを取り外すとニードルベアリングが出てきます

ベアリングに損傷が無いかチェックして清掃後グリスアップします

このニードルベアリングはクランク軸中央の穴から

給油できるように設計されています

ベアリングを取り外すと給油用の穴が見えます

異物や劣化グリスで閉鎖していないか点検清掃します

パーツクリーナーを注入し出口の穴から噴出すればOK

修理中止になった254XPから取り外したクラッチをこの機体に取付けます

機体に装着されていたリムスプロケットは交換時期を

大きく通り越し凄い事になっているので新品に交換します

ガイドバーとソーチェーンを取付ドライブテストを実施

トップスピードが完全にオーバーレブ状態です

オーバーシュート値で14800rpmまでまわりました

危険ですね

高回転型エンジンのハスクバーナですが

流石にこれはNGです

無負荷最高回転数の基準値は13800rpmです

1000rpm過回転ですね

この設定では高負荷作業時にトルク感が薄かったと思います

正しい状態のセッティングしました

セッティング後のエンジンは綺麗にふけあがり

高回転時の力感もでました

254XPの回転レスポンスと音はイイですね

私も１台所有していますが主要部品が供給終了になり

性能維持にも知恵を使わないといけない年式になりました

メンテナンスにお金はかかりますが

無駄のない設計で気持ちよく吹けるエンジンです

大切にしたいですね