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チェーンソーエンジンの違いについて質問があったので

プラウカスタマーサポート小関です

店舗で接客中にお客様よりプロ用と家庭用チェーンソーの違いについて質問

「なにか違いがあるの?」

応えは「ありますよ」なんですが

言葉で説明するのって難しいですね

今回は3機種のエンジンについて内部パーツを見ていきます

まず2機種

左がゼノアG3700、右が新ダイワE2038のシリンダーピストン

パット見同じ様なピストンサイズに見えますね

排気量はG3700が37.2cc、E2038は38.4cc

でもピストンの肉抜き処理が全然違いますね

この処理はピストン質量の軽量化とシリンダー壁との摩擦低減に効果があります

パワーを出したいエンジンには必須の仕様

E2038が一歩リードしています

これ、吸気側なんですが明らかにE2038の方が大きいですね

それも3ポートです

G3700はダダの穴

エンジンに期待する特性がこの辺にも表れているようです

そして掃気ポート

これG3700のシリンダー壁ですが掃気ポートがオープンタイプ

高性能エンジンにはあまり用いられないポート形状です

E2038はクローズド

3つ見える穴はさっきの吸気ポートの3つの穴に繋がって居ます

クローズドポートの方が高出力エンジンに向いています

因みにハスクバーナ346XPはクローズドですが現在人気の353は

エンジンの基本部分は同一ですがシリンダーがオープンタイプです

ここはクローズドにして欲しかったな

E2038の排気ポート

何かやる気ありそうに見えます

G3700はこんな形状

ちょっと優しい感じがします

中央部上に見える溝はリコイルを引きやすくするため

圧縮圧力を逃がす溝

これもパワーダウンの元なので無い方がいいです

以前別メーカーの30ccクラスでは溝の有り無しで0.1Kwのパワー差がでる

と言っていました

30ccで約0.14馬力のダウンが大きいか小さいかは別として

個人的には嫌です

並べるとE2038の排気口って大きいですよね

これはエンジンパワーに影響が大きい燃焼室形状

G3700の燃焼室は周辺のスキッシュエリアが広いです

思いっきり中央に混合器を集めて着火させるんですね

E2038の燃焼室

デザインがG3700と少し違います

スワールやタンブルを考慮したデザインだと思います

エンジニアが思考とテストを重ねてこの形になったので

色々意味があってのデザインなんでしょう

自動車も日産L型は扁平な形でしたが

現在では各社各様のチャレンジの末ペントルーフ型に落ち着きました

チェーンソーはまだまだバリエーション豊富な燃焼室形状なので

好奇心をそそられます

国産メーカーの同排気量クラスのエンジンでも結構違いがあります

3機種目はSTIHL MS241CMのピストンシリンダー

今日入荷した部品で月曜に交換予定です

ピストンが明らかに前の2機種と違います

今風のピストン

これ軽量化とかが目的ではなく

層状掃気システムを装備したエンジンの為のデザイン

このタイプのエンジンは混合気の他に空気だけを吸入する経路を持っていて

排気工程終盤に空気で未燃焼混合器をふさぎ排出ガスレベルが上昇するのを防ぎます

この空間はその為のポケット

ハスクバーナーも同様の構造でX-TORQって名前でエンジンを出してます

最近の機種はほとんどコレですね

MS241CMのシリンダー内部

もちろんクローズドタイプ

このエンジンは実際の作業環境で14600rpmくらいまで回る事があります

*M-Tronic診断時のデータ履歴ではもっと回ってしまったエンジンもしばしば

(ガス欠時の過回転データ履歴の時もありますが)

高回転で高出力が出るエンジンですね

そのうえ低エミッションを電子制御で実現しています

これからの高出力エンジンは電子制御が無いと実現できなくなりそうです

STIHL MS500iはすでにキャブレターを排除し燃料不噴射式(インジェクション)になりました

この先ハイパワーエンジンがどうなっていくか楽しみです

エンジンの内部を観察するとそのエンジンの特性が見えてきますよ

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