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ロープウインチPCW5000 エンジンがふけ上がらない不具合
プラウカスタマーサポート小関です
今回はロープウインチPCW5000のエンジントラブル
弊社で販売した機体では無いですが修理をお受けいたしました
症状は「エンジンがふけ上がらない」
色々分解した形跡があります
ステッカーなど弊社が正規販売している物とはちょっと違いますね
エンジンは同じGXH50ですが仕様が少し違います
始動確認すると以下の違和感があります
①点火状態は良好で始動するがすぐにエンスト
②ガバナーを手で操作し回転を維持した状態でスロットルを操作して回転変動が無いままスローを維持
③マフラーからの排気圧力がとても小さい(音圧も小さい)
これってスロットルが閉じている時の状態に酷似していますが
キャブのスロットルバルブは確実に開閉動作をしています
という事はスロットル以外で吸入空気量の増加を阻害している要素が存在しているってことです
一番疑われる部分は動弁系統の故障
エンジンに詳しくない人の中にはスロットルバルブはキャブや吸気系統についている物だと信じている事が多いのですが
実はキャブや吸気系統に絶対存在しなくてはイケない理由はありません
なんなら排気系にあってもイイですし、スロットルバルブが無くても別の機構で代用もできます
BMWのエンジンでバルブトロニックを搭載した車種はスロットルバルブがありません
バルブリフト量を連続可変させて吸入空気量を増減させています
ちなみにマフラーの防爆網(スパークアレスター)が詰まると
スロットルを開けても回転が上昇もしなければエンストもしない状態になる事もあります
これ、排気側が詰まってスロットルが閉じた状態と同じ効果が発生しています
チョッと面倒な話しなのでリセット
これが今回のエンジン
左が吸気バルブで右が排気バルブ
この状態で排気バルブはフルストローク状態
全然ストローク量が足りないですよね
吸気側も同じくらいのストローク量です
測定値 IN:1.2mm EX:1.3mm
ほぼ開いてません
ちなみに正常なGXH50エンジンは下記の様に沢山開きます
これが正常なエンジンの状態
実測バルブストローク量はIN:3.4mm EX:3.65mm
本来これくらいバルブは開きます
今回の不具合エンジンはバルブリフト量が減少し
吸入空気量が減少、結果スロットルを閉じた状態のままと同じ量の空気しか吸えてなかったのが原因
バルブで吸気量を絞っているのでキャブのスロットルバルブは効果がありません
ストロークが減少した原因はカムシャフトの山がなんらかの原因ですり減った為
このエンジンのカムシャフトはプラスチック製なのでとてもデリケートなんです
バルブストローク量って凄く大切な値なんです
エンジン出力を上げるには吸い込む空気を増やすんですが
今回は逆に減ってしまったんです
PCW5000ではウインチとエンジンを分離する為ウインチ部の分解が必用です
エンジンとウインチの接合ボルトはウインチケース内部から取り付けてあります
カムカバーがケースとエンジンの間に存在するので整備には少し手間がかかりますが難易度は低レベル、時間は掛かります
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