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PLOW芝刈機GC410 始動不能整備 接触事故後から始動出来ません
PLOWカスタマーサポート小関です
今回は弊社の人気製品「芝刈機GC410」の整備です
症状は:エンジン始動不能です
問診の結果、刈刃と障害物が接触した後に始動できなくなったとの事
早速検証します
一般的に芝刈機の刈刃はエンジンクランク軸にボルト止めされています
なので作業中に刈刃が異物に衝突するとクランク軸に大きな捻じれ力がかかります
酷いときには軸が曲がったり折れたりします
そうなるとエンジンのオーバーホールが必要になります
そうは言っても作業中の不注意で刈刃に石やコンクリートがヒットしてします事もあり得ますよね
なのでPLOW芝刈機には万が一の安全対策が装備されいます
特にGC410は二段階の保護機構を装備しています
まずはその①
刈刃はクランク軸(エンジン軸)に取り付けられた刈刃アダプターを介して取り付けてあります
上の写真の中央のボルトで軸に固定されてるんですが左右に小さい穴が見えます
この部分、刈刃の穴にアダプターの突起が入る構造
横からアダプターを見ると突起が見えます
刈刃が障害物にヒットした場合はこの突起が潰れて刈刃が空転して力を逃がします
除雪機のシャーボルトと同じような機能があります
これは過負荷がかかり突起が潰れた刈刃アダプター(今回の機体から取り外した部品)
突起は潰れる(折れる)事でエンジンを保護しているんです
でもこの部品が原因で始動不能にはなりません
原因は別にあります
じゃー何処って事ですが
原因はここにあります(この写真は不具合解消後の物)
エンジン上部に取り付けてあるマグネットローターです
このローターはマグネットが埋め込まれていて回転して点火コイルに電力を発生させます
でもこの部品もクランク軸に取り付けてあり重量もあるのでエンジン回転が急停止した場合軸をねじる大きな力が発生します
なので接触事故時にクランク軸が破損しないよう連結キーが折れ空転するよう設計されています
これが2番目の保護機能です
これが今回始動不能が発生した原因箇所
赤い矢印部がクランク軸のキー溝
青矢印がローターのキー溝
90度以上ズレてますよね
折れたキーも見えます
実はこのキー、アルミニウム製で柔らかいんです(鉄より)
ローターと軸が空転したせいで点火時期がズレて始動ができなくなったんです
折れたアルミキーの半分がクランク軸溝に残ってますね
これでエンジン軸が捻じれて破損しないんです
二つの割れたキー
軸とローター溝を清掃後新しいアルミキーを取り付けローターを組み付けます
これがピストン上死点位置
ローターと軸はテーパー勘合なので正確な締め付けトルク管理が必要です
テーパー勘合は軸とローター接触面がテーパー加工されていて接触摩擦でズレずに固定されます
なので組付けじは両方の面を脱脂し油分を完全に除去
その後正確なトルクで締め付ける必要があります
緩くてもダメ(滑るから)、強くてもダメ(歪んで接触しなくなるから)
キーはあくまで組立時の位置決めをしているだけで締結機能はありません
汎用エンジンのフライホイールキーはほとんどがテーパー勘合です
バシッと組み上がったブリッグス450Eエンジン
リコイル紐をお引くと一発でエンジンが始動します
これで一見落着です
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