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STIHL 028AV SUPER アイドリング回転数でソーチェーンが回りっぱなしになる エンジン診断

PLOW長岡店の柳です。修理ブログを見た!という山梨県のお客様から送られてきたSTIHL 028AV SUPER Made in West Germany(西ドイツ製)です。

お客様の訴えは、①エンジン始動時にクラッチから異音がする。②アイドリング回転数でソーチェーンが回りっぱなしになる。③地元の修理店に見てもらったら内部パーツが2~3点破損していると言われたそうです。

型式 028AVSEQ 製造年月 1990年10月 排気量 52.0cm3 31年前のSTIHLチェンソーです。果たして復活できるのか?昨年も何台か028AVSEQを復活に成功しました。

燃料タンクの中を点検すると、青い燃料が残っています。お客様に聞いてみると知り合いからエンジンかからないのでもらったチェンソーでしたが燃料を入れたらエンジンはかかるけど異音が出るしチェンが回りっぱなしになるので使用していないそうです。

青い燃料はSTIHL純正2サイクルエンジンオイル以外を使っていたと思います。清掃してから燃料を補給します。

スプロケットは摩耗少なく正常です。

エンジンは正常にかかりましたがアイドリング回転数が低過ぎです。正常値は2,800rpmです。1,870rpmでもソーチェーンが回りっぱなしです。クラッチASSY交換が必要です。

最高回転数を点検すると12,000rpmでした。低いです。正常な状態で13,500rpmまで回るはずです。それとチェンオイルが出ません。

スパークプラグを点検すると、電極は茶色(正常)ですが回りにカーボン付着しています。

スパークプラグの穴からシリンダーの排気側を点検すると薄い縦傷があります。

圧縮圧力を点検すると、約900Kpaでした。低過ぎです。正常なエンジンは1,100~1,200Kpaあります。圧縮が漏れているということは

マフラーを外してピストンを点検するとピストンリングの間が真っ黒です。ピストンリングの気密性が低下しています。ピストンリングやシリンダーが摩耗していると思います。

シリンダーの排気側を点検すると広範囲に縦傷があります。油膜を保持するためのクロスハッチ(斜めの線加工)も見えます。

吸気側に縦傷ができる場合原因は、①STIHL純正2サイクルエンジンオイル以外のオイルを使用したために潤滑不良で傷ができた。②水分を含んだ燃料、劣化燃料を使用した。③エアーフィルターに穴が開いて異物を吸い込んだ。目立て不良で粉状の木屑を吸い込んだ。この機体の場合は①が一番疑わしいです。

STIHLチェンソーは高回転、高圧縮、高性能ですがSTIHL純正エンジンオイルを使わないと性能を発揮できません。次回はクラッチ周辺の分解、異音発生する診断します。

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