REPAIRBLOG修理ブログ

プラウカスタマーサポート小関です

今回はホンダの押す除雪機「ユキオスSB800」の修理です

納品直後に走行不能になりました

前進も後退もできません

お客様宅での診断ではミッションプーリーが前進・後退どちらも不動

ミッションがロックしている状況なので持ち帰って分解診断を行う事にしました

しか～し、気象庁より年末に大寒波が来るって報道で時間に余裕がありません

客宅は上田市、新潟県上越市の修理ピットまで持ち帰り再度納品になります

ミッションがロックしているのでひっぱっても機体は動きません

アウトプットシャフトとミッションを連結しているピン2本を抜いて持ってきました

ミッションケース内部で何かが起こっています

プーリーは１９ｍｍスパナでロックしナットを取外します

作業にはエンジンとクラッチ部を取り外す必要があります

これがミッション内部

もうすでに信じられない不具合が写ってますね

ワッシャーがピニオンに食い込んでます

本来はピニオンと同軸にありシャフトが貫通しているはずの部品です

それがこんな所にあるんです

摘出したワッシャー

これ、ピニオンのスラストワッシャーです

メーカー工場で組み立てた作業員が「ポロっ」とケースに落としたまま組み上げてしまったんですね

不具合は製造工場ですでに内蔵されていたという事です

それが納品後に何かのタイミングでギヤに挟まりミッションをロックしました

もう片方のピニオンにはスラストワッシャーが正しい位置に取り付けてありました（当たり前ですが）

タイムリミットが近づいているので速攻でミッションを修理します

年末でホンダパーツは休みなうえに部品は鈴鹿にあり

もうダメか～

と思いましたが部品番号を見ると何処かで見た番号です

そういえばコレって・・・「何とかなるかも」

で、トレジャーボックスをガサゴソ探すとありました

別機種でミッションとは全く違う所に使われているスラストワッシャーですが同部番

1円を笑うものは1円に泣くって言葉がありますがたかがワッシャーって粗末にしなくてよかった

ミッションの蓋をしめたら一気に組み上げます

↑はブレーキ部、ここのRピンが小さくてなくしやすいので注意が必要

条件の悪い現場で飛ばすと絶望的な状況になりますよ

走行レバーを前進に入れブレーキを解除

クラッチドラムを回すとスルスルと駆動が伝わります

完治しました

エンジンを載せて動作確認を行い問題が解決した事を確認

辺りは暗くなりましたが上田市菅平高原へ納品に向かいました