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STIHL MS201TC-E 作業後アイドリング中にエンストする。チェンオイルの吐出が悪い気がする故障診断

PLOW長岡店の柳です。プラウのブログを見た!という山形県のお客様から送られてきたSTIHL MS201TC-Eです。現在この機種は販売終了しています。M-Tronic搭載したMS201TC-Mは販売中です。
2014年11月製造なので6年前の機体です。お客様の訴えは
①作業後アイドリング中にエンストするが再始動はできる。
②チェンオイルの吐出が悪い気がする。です。
まずは燃料タンクの中を点検するとキレイです。お客様はHusqvarna LS+の2サイクルエンジンオイルを使っているそうです。STIHLチェンソーには添加物のポリブデンを含まない純正エンジンオイルを使ってください。他社製エンジンオイル使用による故障事例を多く見てきました。
チェンオイル、燃料を補給して正常にエンジン始動、アイドリング回転数、フルスロットルも正常、チェンオイルは正常に吐出しています。
スパークプラグを点検すると電極は正常なキツネ色をしていますがカーボンが多く付着しています。カーボンができやすい原因は
1、混合比率が濃い
2、低品質なエンジンオイルを使った。
3、低負荷運転によりシリンダー内部の燃焼温度が低い
4、キャブレターやタンクベントが原因で燃料供給過多
スパークプラグギャップを点検すると基準値0.5mmがスカスカです。店頭販売(工場出荷時)は0.6~0.7mmなので調整してから取り付けてください。わずか0.1mm広いだけで要求電圧が高くなり点火不良(失火)する原因になります。エンストする原因の1つとして考えられます。
圧縮圧力を点検すると最初9.0barまで上がりましたが8.6barに下がりました。MS201は正常でも9.0から10.0barくらいで低圧縮エンジンですがやや低いです。エンジンの始動性、アイドリング、フルスロットル、無負荷状態では異常は感じられませんでした。
マフラーを外してピストンを点検するとキレイです。
ピストンリングの下側はわずかに燃焼ガスが漏れた跡があります。
シリンダーの吸気側を点検すると細かい縦傷があります。
シリンダーの右側です。
シリンダーの左側です。軽い焼き付きによる圧縮圧力の低下がエンストする原因もあります。
キャブレターの点検をするためカバーを外します。エアークリーナーの近くにあるので木屑が溜まりやすいです。
キャブレターの漏れテストをすると0.8barを保持しています。正常ですが、分解しないと内部の摩耗や詰まりは確認できません。どこまで修理をするかお客様に相談します。

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