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ヤマハ・ガス発電機EF900iSGB 始動不能修理
カセットガスを燃料に使用する発電機
ヤマハEF900iSGBが始動不能です
ここ最近はまるで発電機修理専門店のような状況です
この機体は10月に販売したばかりの新しい製品
弊社では販売前に始動確認と動作試験を行って出荷しています
使用時間が極わずかな機体でのトラブルは非常に気になります
状況確認を行うと始動位置で始動しますがすぐにエンスト
エンジン回転が持続しません
運転位置で始動しても状況は同じ
点火系は正常と判断し燃料(ガス)系統を点検する事にしました
この機種、外装カバーを取り外すのに一か所隠れたネジがあすんです
↑の部分、ガスの元栓ツマミに隠れています
すみません、ピンボケ…
ツマミのステッカーを慎重に剥がすとプラスネジが隠れています。
知らずに強引にツマミを引き抜くと破損しますよ
外装を取り外すとこうなります
さっきのツマミは右の金色の長い軸の先端にネジ留めされています
ガスの導通点検を行う為ミキサー(ガソリンエンジンのキャブレター位置にある部品)のガス取り入れ口の接続を取り外し元栓を開けます
「シュッツー」と液相のガスが噴出しました
これで「ガス缶」→「元栓」→「チューブ」→「レギュレータ入口」までは正常であることがわかります
レギュレーター内部に不具合があることが判明したので分解点検します
レギュレーターの調圧側を分解するとベタベタな汚物がこびり付いてます
ガス式エンジンでしばしば不具合の原因になる「燃料ガス中の不純物」です
ガス中には必ず不純物が混じっていますが、一流メーカー製のカセットガスであればこんな短期間にこうはならないはずです
確認するとガス通路内にも汚物がありガス通路が狭くなっています
清掃を行い正常にガスが通過できるようになりました
こちらはメタリング室、清掃前ですが綺麗です
長期間継続的に汚物が流入していない事がわかります
全てのパーツを洗浄後ミキサーを組み立て始動確認を行うと何事も無くエンジンは回り出しました
安価なカセットガスはガス成分の品質に問題がある製品の可能性が大きいです
過去、沢山のガスエンジンを整備していてトラブルが起きたお客様に話を聞くと皆さん聞いたことが無いメーカーの安価なガスを使用されていました
燃料コストを安くしたいのは分かりますが、停電で困っている時にエンジンが始動出来ないとコストどころの話では無くなります
尚、EF900iSGBは摂氏10℃以下では使用できない事になっています
ガスの気化が悪くなり正常に動作しなくなるためです
冬の屋外や春秋の早朝、深夜では摂氏10℃を下回る事があるので注意してください
そういう環境で起きる始動不能や動作不良は不具合ではなく仕様です
*低品質のガスは摂氏10℃以上でも動作不良が起きる可能性があります
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