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オイルエレメントの中身ってどうなってるの?と聞かれました
エンジン部品で非常に重要な部品「オイルエレメント」
実は内部構造に重要な部品が組み込まれています
エンジン寿命に直結する大切な部品です

上の写真はカートリッジタイプのオイルエレメントを分解したところ
本来は缶詰の様にカシメてあるので分解できません
内部にはろ紙の他に大切な役目をするパーツが内蔵されているんです

各パーツを並べました
黄色いひだひだの筒がろ紙部、オイル中の不純物をろ過するのが役目
オレンジ色の丸いのは一方通行弁
エンジン停止時にエンジン方向からオイルがオイルパンに逆流するのを防ぎます
ここの密閉性が悪いとエンジン再始動時にオイル無しで回る時間発生しちゃいますよね
始動のたびにエンジンが摩耗します
凄く重要な部品

エンジンが回転を始めるとオイルポンプがオイルの圧送を始めます
そのオイルはエレメントに沢山空いた穴からカートリッジ内に流入します
その時先ほどのオレンジ色のゴム弁を押しながらろ紙へとむかいます

これはカートリッジ内側から見た一方通行弁
とても柔らかいゴムでできています
硬くなと逆流が発生し上記トラブルの原因に…

カートリッジに流れ込んだオイルはろ紙の外周からろ過されながら内部に流れます
外周からオイルを流すのはその方がろ過面積が大きくなるため

ろ過されたオイルは中央穴からエンジン各部に供給されます

カートリッジ中央穴から内部を覗くとリリーフバルブが内蔵されています
これはろ紙が汚れで詰まるとオイルがエンジンへ送れなくなり焼き付くのを防ぐ装置です
ろ紙が詰まりカートリッジ内の圧力が一定以上になると開き、オイルをろ過しないままエンジンへ流す仕組み
安全弁ですね
そうです、オイルエレメントを長期間交換せずろ紙が詰まるとこれが開き、ろ過されない異物混じりのオイルがエンジンを駆け巡ります

分解したリリーフバルブ
普段はスプリングの力で閉じてますがろ過前の油圧が高くなるとスプリングを押してバルブが開きます

リリーフバルブです↑

エンジンによってはリリーフバルブがエレメントではなく、エンジン本体に内蔵されている機種もあります
エンジンにリリーフバルブが内蔵していない機種でリリーフバルブ無しのエレメントを付けてしますと悲劇が起きますよ
また、エレメントが詰まるとアイドリング時にメーターパネルのオイルマークが点灯や点滅する事があります
これはオイルプレッシャースイッチが圧力低下を検出した時に点灯します
一般的な検出圧力は0.3kgf/㎠です
そうです、ランプが付いた時はほとんど油圧はありません
アイドリング回転ではポンプ回転も低くリリーフバルブを開放できるほど油量を発生できないんです
ランプが「ほわほわ点灯」したらピンチですよ
オイルエレメントは必ず純正品番を使用してください
互換品は信頼できるメーカー品以外NG
内部の部品も経年劣化します
定期的に正しい部品に交換しましょう
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