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Briggs & Stratton E-Seriesエンジン不調
症状は:「始動困難」「回転がバタバタで止まりそうになる」

実機を確認すると10回以上リコイルを引いてやっとかかる状況
始動後回転がバタバタでとても作業できる状況ではないです
早速診断開始
①点火火花、スパークプラグ点検 →OK
②圧縮圧力点検 →OK
③キャブレター点検 →OK
ん~、何でだろう?いいはずだよね~って…
でも点火時期がおかしい様な排気音です
って事で確認しますしていきます

やはり原因はここでしたね
フライホイールの赤丸●(本来は色はありません)とコイルの↑矢印位置がズレてます
点火時期がATDC側にズレてるんです
本来はBTDC側に数度進角してるのが正常なんですが

↑が正しいエンジン(写真は同型のEシリーズ500型、フライホイルは450型と共通)です
圧縮上死点ではこの位置が正常
何らかの原因でクランク軸とフライホイールの位置関係がズレたんですね
考えられる原因は下記
①作業中エンジン出力軸が急停止
芝刈り機などではカッターが強固な障害物にぶつかると発生します
クランクが停止してもフライホイールは回り続けようとしますから…
本来は慣性力に負けてクランクシャフトがねじ曲がりエンジンが昇天します
ですが、ブリッグスのキーはアルミ製なのでフライホイールが空転します
最悪の事態を回避する設計なんですね
②組み付け時に作業ミス
テーパー勘合式は軸と穴内面の摩擦力で位置を保持しています
組み付け時の脱脂不足や締め付けトルク不良などで発生します

確認の結果、思いっきりズレてます…
エンジンが始動できたのが不思議な位です
フライホイール#222698Sはメーカー欠品なので秘密のストックから調達、キー#590544とともに交換し無事復活しました
いままでのラフな回転がウソの様に滑らかに回るエンジンになりました
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