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【除雪機】水没した ホンダHSM1390i 修理完了 おまけあり

水没してから回り続けるシューター (´_`。)

怪奇現象みたいです。

症状は「イグニッションキーをONにするとシューターモーターが回り続ける

モーター本体には異常はありません。

なので故障診断。

 

考えられる故障原因は

①クロスレバースイッチの故障

②シューターリレーの異常

ん~、こんなところですね。

なので、クロスレバースイッチを正常動作品に付け替えてテスト (ノ゚ο゚)ノ

ローリング機構付きのJRタイプはハイト用スイッチとコネクターを入替ても診断できます。

…、変化無し (  ゚ ▽ ゚ 😉

なんで回るんだよ、お前!って言っても止まってくれません ヽ(`Д´)ノヽ(`Д´)ノ

 

となると犯人はアレです、かなり高額な…

今回のHSM1390i最新型のK1タイプ

操作パネルにミドリ色のダイヤルが付きオートチョークのタイプです。

 

バッテリー横左右に黒い箱、名前は「ドライバーユニット

コントロールユニットの指令でモーターに電力を供給してます。

 

しか~し、K1からは新たなお仕事が増えました Σ(゚д゚;)

シューターモーターの制御のお仕事です。

K1以前では別にコントローラーがあってそこでやってた仕事です

↑がK1のドライバー部の回路図。

シューターモーターが接続されてますよね。

 

スイッチ入力をテスターで計測すると正常。

でも常時モーターに電力が供給されちゃってます (iДi)

なので交換です。

このパーツだけで¥37,800 (´_`。)

やれやれです。

 

今回の機体は水没機。

左右走行モーターの中身も交換です。

相変わらず芸術的ですね (ノ´▽`)ノ

新品は特にイイ。

モーターからの出力はこの減速機で減速されクローラーに伝わります。

ココには300ccの潤滑油がはいります。普通のエンジンオイルでOK

一番↑の小さいピニオンがモーター軸です。

ハーネス類も水没の為交換、センサーも新品に。

完成した左モーターを機体に搭載 (ノ´▽`)ノ

 

 

そして修理完了したHSM1390iK1

なんとか年内に間に合いました。

↓が交換部品

走行モーター完成品での供給が無い為内部パーツを単品で集め交換になります。

まん中の丸い銀色の部品は電磁ブレーキ

ハイブリッド機は停止時に電磁ブレーキで機体が動かない様にブレーキがかかってます。

坂道で勝手に下って行かないのはこのブレーキのおかげ (ノ゚ο゚)ノ

 

四角い箱はドライバーユニット

本来はモーターに電力を供給する装置ですが現行型K1タイプよりシューターリレーの機能もユニットに一体化

 

今回のまわり続けるシューターはユニット内部の損傷でした。

エンジンも本来のフィーリングではない為確認作業をします。

エアクリーナーケースを外すと黒いボックスが ∑(゚Д゚)

これ、エンジンECU

そうです、エンジンにもコンピューターが搭載されてます。

+ネジ4本を外すとECUが外れその下の構造にアクセスできます。

これ、キャブのスロットルとチョークをコントロールしている部分。

キャブレターにはワイヤーが繋がってません

全部電子制御作動してます (ノ´▽`)ノ

 

スロットルバルブはECUの指示を受けたモーターが開閉します。

すご~いっ、って良く見るとチョークもっと凄い \(゜□゜)/

 

金色の部品、昔から自動車の整備してる人にはおなじみ?

サーモワックスです (iДi)、そうなんです「オートチョーク」です。

自動車業界では忘れ去られたロストテクノロジー

 

せっかくECU制御なのにチョークもモーター制御してよって思うんですが…(´_`。)

この辺、HSM1590iはチョークもモーター制御になってます。

さすがフラッグシップ機ですね。

キャブはお客様がご自身で清掃したとの事ですが内部の腐食が進んでます。

水分も溜まってます、タンク内部の吸引清掃とキャブの清掃作業が必要でした。

 

これで作業完了です。

 

水没復旧の修理費用は22万円程かかりました ヽ(;´Д`)ノ

チョットした不注意で大きな代償を払う結果となります。

除雪作業には細心の中が必要ですね。

 

最悪、水没してしまった場合は1日でも早く修理をご依頼下さい。

 

放置する期間が長くなればなるほど内部が腐食して復旧費用が跳ね上がります

 

 

 

 

 

 

 

水没してからHSM1390iK1シューターがまわり続ける様になった件のおまけ

部品を分解して内部を確認します。

今回の不具合原因はシューターモーターに電力供給しているドライバーユニット

K1以前の機種は別体のコントロールアンプで制御してました。

合理化でコントロール機能をドライバーユニットに統合したんですね。

 

ユニットの黒いプラスチックカバーはプラ爪でロックした後三辺をコーキング処理してあります。

が、∑(゚Д゚) 下面はシーリング無しです ヽ(;´Д`)ノ

上から掛った水はセーフですが全体が水没するとアウトな構造です。

じゃー中身はどうだったの?

これが基盤を上空から見た図。

赤い線の付け根に注目 (−_−#)

漏水による腐食が発生しています。

コンデンサーもやられちゃってますね。

裏面の放熱器と分離した図です。

放熱器の容量は結構なもんです、パソコンのCPU用なんかと比較にならないレベル。

色んな所に漏水の痕跡が有ります。

 

ドライバーユニットは大電流をコントロールするパーツです。

漏電や配線劣化による火災の危険もあるんで水に使ったら潔く交換しましょう。

 

 

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