REPAIRBLOG修理ブログ

プラウ開発部小関です

新潟県はめっきり冬の空

上空は一面鉛色の雲で覆われ冷たい雨が降っています

毎年この時期は強風と着雪で電線が切れ停電が発生します

今日は某自動車教習所様からの依頼で非常用発電機の整備をしています

停電すると教習所コースの信号機が消えて授業ができないんです

機種はホンダEB2300H

ホリデーシリーズなのでホームセンタールートの商品です

エンジンオイル交換、エアクリーナエレメント清掃、プラグチェックなどを実施

エンジン回転数が規定回転かをチェック

出力電圧も規定値内かをサーキットテスターで確認します

この機種はインバーター式ではなく原始的なAVR式

電子機器を搭載した家電には使用できないタイプですが

教習所では信号機や投光器の電力供給に使用するので問題ありません

カーボンブラシの残量や異常摩耗がないかチェックします

コイルの焼けがないかも要チェック

最後は出力波形に異常がないかと周波数が仕様通りかを確認します

波形に異常なノイズや欠落が出ないかを見ます

スパークプラグやブラシに問題があるとノイズが乗ることがあるので

オシロスコープでのチェックは必須です

無線機やノイズを嫌う危機の電源に使用する場合はこれ見ないと点検整備の意味がありません

ま～AVR式をそういった機器用に使う人は居ないとおもいますが

インバータ式でも必須の点検作業です

また、インバータ式でノイズ対策改造をした発電機のコンデンサー点検や

電磁シールド点検はこれがないとできません

これが観測波形

山の形が歪でギザギザしてますよね

これが電子機器の電源に使用できない理由です

交流波形の立ち上がりと立下りをもとに動作タイミングをコントロールしている電子機器では

この波形だとたくさんのギザギザをそのタイミングと誤診して異常動作を引き起こします

本来きれいな山型の波形のアップダウンをカウントする機器が

ギザギザ部のアップダウンを拾ってしまいます

比較でインバータ式のPLOW GP18iEの出力波形をお見せします

綺麗な波形が出力されています

EB2300Hから出る電力がいかに汚かったかが分かります

ただし、これもインバータを含め発電機が正しく機能していることが絶対条件

システムに問題があるとインバータ式でもノイズが乗った電力を出力します

プラグが摩耗してギャップが広くなったり、スパークがリークしたり

インバーターが正常に機能していないなど

一見電気は出てもきれいな電気とは限りません

なので、発電機の点検整備にはオシロスコープでの最終チェックは必須なんです

災害対策でスマホやPCのバックアップ電源として使用する予定なら

ノイズの無い綺麗な電力が供給できているかのチェックをお忘れなく