REPAIRBLOG修理ブログ

プラウカスタマーサポート小関です

STIHL MS241CMの不調診断中です

M-Tronic診断機でのデータモニターを実施したところ

空燃比補正値や始動スイッチのECU入力値はモニターできますが

運転履歴（稼働時間・始動回数）が記録されない状態です

ECU内部不良で前回運転時のデータを忘れてしまう状態です

エンジンが始動してしまえばそれなりに動作しますが本調子はでません

しかし、排気煙の状態とピストンヘッドの焼け具合を見るとメカニカルなトラブルも内包しているようです

圧縮圧力を測定すると測定値は805Kpa

低いですね～

圧力低下の原因がシリンダー及びピストンなのか

それともクランクケースやインシュレーターにあるのか判断する為

クランクケース圧力テストを実施

排気ポートを遮蔽しインシュレーターにアタッチメントを装着

クランクケース内を加圧し圧力低下を確認します

この時、デコンプバルブは取外し点検用の止栓を取り付けます

測定の結果クランクケース側（クランク合わせシール、軸シール、インシュレーター）には問題ありません

という事はシリンダー部に問題があります

シリンダーを取外しピストンのチェックをします

吸気側に焼き付き痕跡はありませんがスカート部は消耗しています

排気側です

嫌な色に焼けています

クランクウェブの変色もあります

STIHL指定オイルを使用していなかった事が分かります

ピストンリングをチェックすると張力が弱り切っています

リング溝も摩耗により拡大しています

これでは圧縮低下が起きても不思議じゃないですね

シリンダー内壁メッキ面も摩耗が進んでいます

ギリギリ再使用したくなる気持ちもあります

現状で限界状態なのでこの先使い続けるには交換が必用です

今回の整備見積は￥94,083（税込）

シリンダー＆ピストン（ニードルゲージ・ガスケット類含む）、コントロールユニット（イグニッションコイル内蔵）、ピックアップボディー（燃料すとれーなー）交換、ECU初期設定

かなりの出費になりますね

この金額の半分くらいはシリンダー＆ピストンで￥51,018（税込）

オーバーホールには多額の費用が掛かります