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ゼノア刈払機TRZ265 再始動困難
プラウカスタマーサポート小関です
今回はゼノア刈払機TRZ265のエンジン不調です
千葉県より送って頂きました
今年春に販売した機体です
症状はエンジン振動と再始動困難
早速検証すると
①エンジン振動はこの機種の仕様範囲内です
このエンジンは層状掃気タイプのエンジン
普通のエンジンのように混合器だけをエンジンが吸い込むのではなく
混合器の他に空気だけを別に吸入する構造です
なので中低速低負荷時にエンジンがシェイクする現象が出ます
本来その回転域はクラッチストール回転域なので使用は避けるべき回転域
自動遠心クラッチが接続する回転数に近いのでクラッチ焼損につながる可能性があります
また、その回転振動が軸のダンパーをゆすりバイブレーションが大きく感じます
これが軸
ダンパーシャフト搭載とカタログに記載がある機種はこうなってます
ダンパースプリングで振動を吸収するシステムですが上記環境では逆に振動を増幅します
このダンパー、消耗するので長期間使用するとバネ部がガタガタします
定期的にモリブデングリスを塗布することで交換サイクルを伸ばす事ができます
どうしてもダンパーが嫌だって場合はダンパー無の軸を装備出来ます
旧機種の部品の流用ですがヘビーユーザーは最初の交換時にソリッドタイプに交換するのもありです
この機体のダンパーはまだ全然大丈夫
ですがグリスっけがありませんね
新品購入時は使用前にグリスアップしましょう
②再始動困難の検証をすると確かに始動困難というか超困難
プラグを点検するともう大変ですね
燃焼生成物がこびりついてます
これじゃー失火します
ピストンヘッドもこれです
燃料由来の不具合です
ユーザーに電話確認すると二輪や4輪の高級オイルを販売している有名メーカーのオイルを使用しているとの事です
私も昔レーシングカートのレースで使ってましたよ
でメーカーの仕様を確認するとどう見ても層状掃気エンジンに適した銘柄が見つかりません
JASOのオンファイルリストを見てもこのメーカーにはFCのオイルしか登録されていません
↓オンファイルリストのリンク
http://www.jalos.or.jp/onfile/pdf/2T_JV_LIST.pdf
ピストンの半分と排気ポートは綺麗です
クロスハッチも新品同様に残っています
なので潤滑性能は優れたオイルの様ですが燃えカスを残さない能力には問題ありの様です
このゼノアのタイプのエンジンとは相性が悪いんですね
ゼノアはJASO FDグレードを指定してます
エンジンの清浄性を維持するにはFDグレードのオイルが必須という事なので必ずFDグレードオイルを使用してください
高級なレース用オイルが良いとは限りません
燃焼温度が低いエンジンだと燃え残りが発生し悪さをします
それと、2サイクルオイルにも粘度があります
4サイクルオイルでいう10W-30とか20W-50とかにあたる値です
これは某メーカーのカタログに記載されたオイルの代表性状
4製品のスペックが数値で公表されています
真ん中2つは分離給油及び混合分離共用タイプのオイルです
動粘度の値を見ると明らかに小さな値です
やわらかいオイルってことが分かります
両脇2銘柄は混合専用
数値が分離給油用の2倍程度の値です
固いオイルって事です
使用するオイルの粘度もにも気を付けたいですね
今回のエンジンはスパークプラグを交換することで完全復活
再始動も1発でかかります
メンテついでに空燃比を再アジャスト
キャブレターのロータリー軸中央の黒いマイナスネジの回転角を変える頃で
空燃比を調整することができます
バイクのキャブレターのニードルクリップ段数を変えるのと同じ作用です
刈払機のキャブレターはそれを連続的に変化させることができます
BCZ系のキャブはHiニードルでメイン系の調整も可能なのでより完全なセットができるんですが
かぎられた条件の中でより良いセットにしました
やはり混合オイルはエンジンメーカー純正が一番ですね
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