REPAIRBLOG修理ブログ

PLOWカスタマーサポート小関です

今日は午後からSTIHL MS241C-Mのピストン交換をしています

実はピストンリングは消耗品です

リング状で１か所だけ切れ目のある金属の輪

この輪がバネ力で外側に広がりシリンダー壁に密着します

でもバネは徐々に張力が低下していきます

最終的には燃料圧力が吹き抜けピストンスカートとシリンダー壁面温度が上昇します

当然油膜形成にも悪い影響を与えます

なので転ばぬ先の杖、早めに交換するのが吉

この個体のクランクケースは圧力漏れもなく良いコンディション

新しいピストンはKITになってます

ピストン、リング、ピン、クリップのセット

箱から出すとリングはすでにセットされてます「親切！」

ササっとコンロッドにピストンを取り付けます

この時ピストンピンの抜け止めクリップを取り付けのにコツがあります

専用特殊工具で取りつけると凄く楽ですが慣れるとSSTなしでパシッと取り付けられます

次はクランクケースにガスケットを乗せるんですがちょい技

クランクケースは縦割りで間に個体パッキンが挟んであります

でもシリンダーとクランクケースの間に挟むガスケットはメタルガスケットです

この構造だと一次圧縮が漏れる可能性があります

バイクのエンジンをオーバーホールした事のある人なら当たり前のひと手間です

昔のDUCATIはここに塗らないとしみましたよね

チェンソーでも加圧テストをするとたまに漏れてる機体があります

なのでパッキンとケースの合わせ目に液状ガスケットを薄く塗布してからパッキンを載せます

シリンダーとピストンにアッセンブリールーブを塗ってから組付けます

トルクレンチで締め付け力を管理します

このMS241はスチールボルトなのでよいのですが最近の新型機はアルミボルトで再使用不可のモデルもあります

軽量化の為ですが凄いですね～

点火コイルを取り付けます

この中にM-Tronicのシステムが内蔵されています

周辺パーツの復元が完了しました

診断機に接続しECUとハーネスに問題ないか確認

問題ないことを確認し始動テストとECUの初期化をします

MS241は診断機なしでも初期化できますがデータモニターの次いでにすると時短になりますね

この後ドライブテストを行い丸太を切り高回転のセットが完了

ピストン交換で本来のパワーが蘇りました

レスポンスも申し分なく本来のMS241C-Mの爽快感が味わえる様になりました