こんにちは、草プロジェクトです。
朝晩すっかり冷え込む季節となりました。
今回は、茨城県の大手食品製造工場に、ロボット芝刈り機 SUNSEEKER Xシリーズ を導入いただきましたので、その施工レポートをお届けします。
施工現場
導入いただいたのは、同社の工場2拠点(以下、工場A・工場B)です。
まず、工場Aの一区画で試験運用を開始。
当日は社長にもお立ち合いいただき、エリア設定などのアプリ操作も社長ご自身で実施。直感的で覚えやすい操作感との評価をいただき、仕上がりの良さも良好だったことから、残りの区画へもX5の追加導入が決まりました。
施工のポイント
■工場A
導入機種:X5(2台)
敷地が広いため、まず区画をA・B・C・Dの区画に分割。先行してA・B、後日C・Dに導入を進めます。

施工現場をいくつかの区画に分けて設定/施工を進めます
安全面への配慮(A–B間の通路)
AとBのあいだには、車両の往来がある通路があり、安全運用が重視されます。
3寸ブロックで遮蔽テストを行なった結果、X5の駆動力に押しだされることが判明。より重い遮蔽物の設置が有効とわかりました。社長から「脱走対策テスト」の動画もご提供いただき、現場検証が進みました。ご協力感謝いたします。
電波環境(C・D区画)
C・Dは、電源設備棟・汚水処理棟・ポンプ小屋など、電波環境に影響しうる構造物が点在。
RTK(高精度測位用の基準局アンテナ)の設置位置を複数回見直した結果、当初金属反射が懸念されていた照明ポール(水銀灯)直近が、実測では最良の設定ポイントであることがわかりました。
段差と脱輪の問題
今回の現場条件ではX5で5cmまでクリア可能でした。ただし正面から直進するより、斜め45°で横切るルートを設定することで、安定した通行が可能となります。(いわゆる「シャコタン車の段差越え」のイメージ)
※車幅1台分の狭通路については、通路設定なしのマッピングだけで走らせると脱輪リスクが上がるため注意が必要です。
今回の条件では、X5で5cmの段差はクリアしましたが、X3では厳しいと予測されます。
(SUNSEEKER XシリーズはX5、X7Plusのみ全輪駆動対応)
■工場B
導入機種:X5(1台)、X7 Plus(1台)
急傾斜への対応
こちらでの施工課題は、貯水池へすり鉢状に下る斜面(傾斜角30〜33°)の存在。
当初、法面(のりめん)最上部でのターン時に、前輪のイボが芝生をえぐる症状が出たため、エリアマッピングの「部分修正機能」を使い修正を実施。法面上部へ上がり切った地点から平地側へ約30cmずらし、平地面で旋回する様に変更することで、問題が解消できました。
(マッピング時に法面直近にマップラインを設置すると盤面損傷が出るので注意が必要です)

法面と平地の継ぎ目
工場正門そばにX5 を設置。
当初は傾斜約20°の法面を下って敷地道路を通り別エリアへ入る計画でしたが、実走テストの結果、X5では法面への侵入・脱出が不可と判明。法面と平地の継ぎ目(ブレークオーバー部)でフロントバンパーが接地するため、エラー停止が発生。フロントオーバーハングとロードクリアランスの制約が原因です。
緩やかに平地へつながる斜面であれば問題ありませんが、境目が折れ曲がるような地形では、カタログの傾斜スペック内でも走行不可となる場合があります。最終手段として斜めに横断するマッピング方法での通過は可能ですが、その場合はルートの自由度が下がります。
RTK高所設置で受信影響の回避
RTK基準局とステーション間に建物を挟む環境、さらに工場内の電源設備の影響による受信状況が懸念されていましたが、汚水処理棟の屋上(高さ約6m)にRTKを設置することで受信への影響は回避できました。また、高所設置することで地上設置では届かない奥まったエリアまで受信を確保できました。
以上の施工を完了し、現在こちらの企業様では2工場で、計4台(X5が3台、X7 Plusが1台)が稼働しています。
今回導入した製品
SUNSEEKER Xシリーズは、作業面積や環境に合わせて X3・X5・X7 Plus の3機種をラインナップ
プラウでは、面積・電波環境・障害物・傾斜などの現地条件を確認し、最適な機種の選定からルート設計、施工まで一貫して対応します。
「うちの敷地でも動く?」など、まずはお気軽にお問い合わせください。
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※キャンペーンの内容は予告なく変更となる場合があります。

ちょっと意外な効果
最近は、農家さんからのお問い合わせも増えています。
お客様からの声で気づいたのですが、ロボット芝刈り機は夜間も稼働できるため、鳥獣の寄りつきが減ったという事例も。
芝の管理だけでなく、思わぬメリットが生まれるのはうれしい発見です。
今回の現場の茨城県は、芝の栽培面積、生産が日本一だそうです。
近隣県も含めて、芝のある外構や緑地が多く、まさに「芝のある暮らし」が根付くエリア。
ロボット芝刈り機の活躍の場は、まだまだ広がりそうですね。
それではまた次回!







